ICL で老眼治療

ICL にも老眼に対応した遠近両用レンズが登場しています。日本では、3 種類のフェイキックレンズが使用されていますが、老眼に対応できるレンズがあるのは、プレミアム眼内コンタクトレンズだけになります。レンズの構造は、白内障手術で使用する多焦点眼内レンズに似ていますが、近方、中間、遠方の3 つの距離に対応できる3 焦点レンズになります。近視や乱視と同様に、老眼もICL で治療できるようになりましたので、幅広い年齢層に対応できます。

3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズ

3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズは、老眼に対応した遠近両用レンズで、老眼と同時に近視や乱視も改善することができます。
老眼は、水晶体の柔軟性が失われてピント調節機能が低下することが原因ですが、初期の頃は「手元が見づらい」「細かな文字が読みづらい」といった近方の見え方に影響がでます。老眼は進行すると遠くも見えづらくなってきますので、無意識のうちに無理に物を見ようとするため、眼精疲労も重なることが多いようです。ピント調節機能の衰えは、生理現象でもありますので自分の力ではどうにもなりません。3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズは、近方、中間、遠方に焦点が合う特性があります。また、ICL 特有の質の高い視界によって、老眼鏡に頼らずに若々しい視界が期待できます。

3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズ

レンズの性能について

3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズは、近方、中間、遠方に焦点が合いますが、レンズの構造は白内障手術で使用される多焦点眼内レンズと似ています。レンズには、同心円状にいくつもの溝があり、その溝が入ってきた光を近方、中間、遠方に振り分けて網膜に届けてくれますので、近くも遠くも見えるという訳です。
他にも多くの機能が盛り込まれている3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズは、合併症を抑える機能も追加されています。すべてが、オーダーメードで作成されるレンズのようなので、プレミアム感が漂うレンズという印象です。ここでは、3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズが持つ主なレンズ性能をご紹介します。

レンズの光学径が広い

3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズは、レンズの光学径(物を見る部分)が6.6mm と広く設計されています。光学径が広いと瞳孔が大きくなる暗い所で受ける影響が少なくなるので、ハロー・グレアといった症状の発生を抑えることができます。

レンズに設置された7 つのホール

3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズには、7 つのホールが設置されています。他のICL レンズにも真ん中にホールが設置されていますが、これは目の中を循環している房水の流れを妨げないように設置されています。房水の循環が悪くなると眼圧が高くなって緑内障の原因になるそうです。ホールタイプのICL レンズが登場する前は、レーザーによる虹彩切開術で虹彩に穴を開ける処置が必要でした。
この処置が無くなっただけでも負担が1 つ解消されたことになりますが、3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズには7 つのホールがあり、白内障や緑内障の発生も予防する機能が追加されています。

セントラルスマートホール

房水の循環する道を確保する役割があるので、虹彩切開術が不要になります。

マージンホール

房水の循環を促して白内障の発生を抑える役割があります。

ハプティクスホール
眼圧の上昇を抑えて緑内障の発生を抑える役割があります。

レンズを安定させるハプティクス

上にあるレンズの写真を見ていただくと、左右に3 つずつ丸い突起のようなものがあると思います。これは、ハプティクスと言って目の中でレンズを安定させる役割があります。3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズには、安定性を確保するために6 つのハプティクスが設置されています。他のICL レンズも確認してみてください。

プレミアムカーブ

他のICL レンズよりもレンズのカーブが工夫されていますので、レンズと水晶体の距離が保たれるレンズデザインになっています。水晶体とレンズの距離が近いと白内障のリスクが高くなるので、わずかな工夫が大切な目を守ってくれるのは、ありがたい機能だと思います。

レンズのサイズは13 種類もある

目の中でレンズがしっかり収まるには、レンズのサイズが重要になるそうです。他のICL レンズは6 サイズほど用意されているようですが、3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズには13 ものサイズがあるので、その人に合ったレンズサイズが細かく用意されています。レンズサイズが合わないと目の中でレンズがずれてしまうこともあるようなので、安全に配慮したレンズだと言えます。

気になる費用について

3 焦点プレミアム眼内コンタクトレンズによる老眼の治療は、自費診療になるため健康保険が適用されません。これは、レーシックや通常のICL も一緒ですが、実際の平均相場は80 万円~ 120 万円くらです。物を見るということを考えた時にどう感じるかだと思いますが、人生100 年時代を迎えた今であれば安いと思う人も多くいるかもしれません。歯科でインプラント治療を受ければ1 本で数十万円の費用がかかります。仮に1 本無くでも物は食べられますが、目は2 つしかありません。また、情報の80% 以上を入手する器官でもありますので、これからの自分に投資すると思えば決して高くはないかもしれません。