レーシックを受けるクリニック選びのポイントは?

いざレーシックを受けようと考えた時、実際に手術を受けるクリニックを選ぶには、どういった部分に着目すればいいのでしょうか。これは、簡単なようで難しい課題かもしれません。レーシックは、どこの眼科でも受けられる手術ではないので、手術を受けることができるクリニックは限られています。首都圏であれば、手術を行っているクリニックが複数ありますが、地方ではさらに限られてしまうため、わざわざ首都圏まで手術を受けにくるという人も少なくないでしょう。ここでは、実際に手術を受けるクリニックを選ぶ上で注目したいポイントをご紹介します。

執刀医(屈折矯正を専門としている)

日本眼科学会では、レーシックなどの屈折矯正手術は、眼科専門医が行うことが望ましいとしています。しかし、眼科専門医の中で屈折矯正を専門としている医師は限られています。他にもICL や多焦点レンズによる白内障手術、円錐角膜治療なども屈折矯正の分野になりますが、中には眼科専門医も持っていない医師が院長をしているクリニックもありますので注意が必要です。自分の目を任せるのであれば、手術はもちろん手術の適応を判断する診察も、眼科専門医に担当してもらいたいと思うのが当然です。屈折矯正を専門としている眼科専門医であることが理想的ですが、日本で屈折矯正を専門としているの眼科医はとても少ないのが現状なので、必然的に候補は限られてくると思います。

実績

レーシックを受けるクリニックの選ぶ上で、手術実績は気になるポイントになります。患者にとって自分の目の手術を任せる執刀医の実績は、何よりも安心できる材料になると思いますが、医師個人の実績は中々知ることができません。なぜなら、執刀医の実績が少ない場合は、個人の実績ではなくクリニック全体の実績をアピールしているケースや、あらゆる手術の実績を合計してアピールしているケースがあるからです。特に多くの医師が在籍するクリニックでは、自分を執刀する医師が誰になるのかも解りませんし、その医師の実績を患者が知る訳がありません。また、実績というものは、執刀実績だけではなく、世界的な眼科学会での実績や受賞歴なども着目すべき要素になります。レーシックを検討される方には、クリニックを選ぶ際は、こういった部分も参考にしてみてください。

清潔衛生管理

最も怖い合併症は「感染症」です。これは、患者だけではなく執刀を担当する医師にとっても怖い合併症になります。目は、栄養が豊富な器官なので、細菌が入り込むと増殖しやすいため、感染症への注意は怠ってはなりません。当然、衛生管理の悪いクリニックで手術を受ければ、そのリスクは高くなりますので、手術を受けるクリニックを選ぶ時は、清潔衛生管理を徹底しているクリニックを選ぶことが重要なポイントになります。中には、クリーンルームを完備している施設もありますので、そういったクリニックを選ぶことが、大切な目を守ることに直結します。

手術プランが明確であること

レーシックは、自費診療になりますのでクリニックによって手術費用は異なりますが、患者にとって解りやすい価格表示はありがたいものです。
中には、安い手術プランをアピールして、実際に来院してみると初めて聞く高額な手術プランが次々と出てくるクリニックもあるようです。これでは、せっかく検討して用意した予算も意味がなくなってしまいます。レーシックの平均相場は30 万円前後と言われていますが、古いレーザーを使用する数万円の手術プランで客を呼び込み、診察の時になって新しいレーザーによる高額な手術プランを紹介されても、患者は困惑するばかりです。
手術費用の表示は、患者にとって解りやすく明確にして欲しいものです。
実際に手術プランの説明を受けてみて、予定していなかった手術費用を提示された場合は、一度立ち止まって良く考えることも必要です。
自分の考えていた予算と大きくかけ離れた手術プランを提示された場合や、ホームページには紹介されていない高額なプランを勧められた場合は、注意が必要です。

費用

レーシックを受けようと考えた時、誰もが気になるのは手術にかかる費用だと思います。一般的な相場は、両目で30 万円前後と言われていますが、決して安い費用ではありません。目の悪い人にとって、裸眼での生活はお金には変えられないかもしれませんが、一般相場の倍以上の価格設定をしているクリニックもありますし、古いレーザーを使用した数万円のプランで客集めをしているクリニックもあります。こういった手法に惑わされないためには、まず自分が準備した予算を再確認することです。その予算を大幅にオーバーするようであれば、再検討することを躊躇せずに候補に考えていた別のクリニックを受診してみることも1 つの方法です。無理をしすぎることなく、自分に合った予算設定をすることも手術を検討する上で大事な要素になりますので、解りやすい価格表示をしているクリニックを選ぶことを強くお薦めします。

アフターケア(保障)について

手術後のアフターケアは、手術と同じくらい重要なものです。人によってアフターケアに対する考え方は違うと思いますが、手術である以上は少なからずリスクは存在しますので、術後の定期検診は必ず受けるようにしましょう。レーシックのように、翌日から視力の改善を実感できてしまうと、手術後の通院を疎かにしてしまう人もいるようですが、視力以外にもフラップの状態や炎症の有無など確認が必要なことが沢山あります。手術後のケアを受けずに、後から問題が起こっても、それはクリニックの責任ではありません。大切な目のことなので、視力が改善しても決められた定期検診は必ず受診してください。保障期間や保障内容は、患者にとって安心材料になることは間違いありませんが、保障期間や保証内容については、クリニックによって違いがあると思います。手術を受ける前に保障についても確認するようにしましょう。

生涯保障や無料という言葉に惑わされない

最近は、保障期間の長さをクリニック同士が競い合っているように見えるのも事実で、中には数十年単位の保障期間や生涯保障をつけているクリニックもありますが、そこまで保障しないと患者が来ないのかもしれませんし、逆に生涯保障が必要なほどの危険な手術は受けたくないと思ってしまう人もいるでしょう。最も重要な「手術」ということよりも「保障」をアピールしているようにも見えてきます。また、保障期間内はすべて無料で対応するという保障内容については必ず手術費用に跳ね返ってくるはず。
クリニックだって慈善事業ではないからです・・・。ただ、実際に保障を使う人は極僅かな数に過ぎません。知らないうちに保障期間が過ぎていたなんて経験をされた人がほとんどだと思います。
このことから、逆に保障期間は短くても、保障内容もすべてが無料でなくても、手術費用が安いほうが大部分の方に恩恵があると思います。手術費用を安くする代わりに、もし何らかの治療が必要になった場合は、最低限の治療費を請求するほうが、多くの方にメリットがあるのです。保障期間が長いからと言ってリスクがゼロになる訳でもありませんし、保障期間中は無料で対応すると言ってもリスクがゼロになる訳ではないので、保障期間が長ければ安心できるとは限りません。手術が成功に終われば、長期の保障なんて必要ないのかもしれませんし、大切なのは手術が成功することと、もし何か起きた場合に適切な処置をしてもらえるかに尽きます。期間の長さ、無料や生涯保障といった行き過ぎた保障よりも、適切な対応をしてもらうことが本来のアフターケアのあり方ではないでしょうか。