レーシックって知ってる?

レーシックは、レーザーで角膜のカーブを変えることで近視や乱視を治療する視力回復手術です。
手術の翌日から視力の改善がしっかりと実感できるため、日本でも多くの人が手術を受けています。手術は、フェムトセカンドレーザーでフラップを作成して、そのフラップをめくってエキシマレーザーを照射することで角膜のカーブを変化させて近視や乱視を改善します。世界では2000 万人以上、日本国内でも100 万人以上が手術を受けていると言われていますが、レーシックによって失明したという報告は1 例もありません。このことからも、レーシックは他の手術と比べて非常にの安全性が優れている手術であると言えます。最近では、老眼も治療できる遠近両用レーシックも登場していますので、手術が受けられる年齢層も幅広くなっています。

レーシックについて

レーシックは、エキシマレーザーで角膜のカーブを変えることで、近視や乱視を治療する視力回復手術です。実際の手術では、2 種類のレーザーを使用しますが、すべてがコンピューター制御されているため、正確な手術が可能です。近視だけではなく、遠視、乱視、老眼も治療することができますので、視力回復手術を検討されている人にとっては有効な選択肢になると思います。近年、レーシック手術で低下した角膜強度を元に戻すことができる「角膜強化型レーシック」が登場したことで、手術の安全性がより向上していますので、合併症の心配も少なくなっています。

レーシックで使用するレーザーについて

レーシック手術は、フラップ作成と屈折矯正の2 つの手術工程に分類することができます。この2 つの工程では、それぞれ別のレーザーを使用しますが、フラップ作成で使用するのがフェムトセカンドレーザー、屈折矯正で使用するのがエキシマレーザーになります。レーシックが普及し始めた頃は、フラップ作成をマイクロケラトームという眼科用カンナで行っていましたが、フェムトセカンドレーザーが登場したことで、均一なフラップを安全に作成できるようになりました。レーシックが日本に普及してきてから約20年が経過しますが、この間にそれぞれのレーザーは大きく進歩していますので、手術の安全性や正確性は格段に向上しています。

【フェムトセカンドレーザー】

フェムトセカンドとは、フェムト秒(1000 兆分の1 秒)という意味で、1 秒を1000 兆で割った時間の単位になります。人間の感覚では理解できませんので、「一瞬」という言葉でも表すことができない極めて短い時間になります。極めて速いスピードをイメージした時に「音速」や「光速」といった言葉を聞いたことがあると思いますが、光は1 秒間で約30 万キロも進むことができます。30 万キロというと地球7 周以上の距離になります。
しかし、フェムト秒(1000 兆分の1 秒)で光が移動できる距離は、0.3ミクロンしか進むことができません。それだけ短い時間の単位がフェムトセカンドになります。エネルギーの出力を抑えても1000 兆分の1 秒という極めて短い時間に圧縮されて発射されるので、設定した深さのみに一定の作用を加えることができる特性が、フラップ作成に活かされています。最近では、角膜移植や白内障手術、老眼治療、円錐角膜の治療などにも応用されています。実際に手術で使用されるフェムトセカンドレーザーは、複数ありますので発売時期やメーカーによって性能が違います。日本国内では、20 年以上も前に発売されたレーザーが今も稼働していますので、手術に使用されるレーザー機器についても検討する必要があります。

フェムトセカンドレーザー
フェムトLDV シリーズ
(ジーマー社:スイス)

【エキシマレーザー】

エキシマレーザーは熱を発生しない特性があり、より微細な加工が可能であったことから、元々は機械加工や半導体の製造など工業用レーザーとして用いられていました。このエキシマレーザーには、熱や衝撃波を発しない特性と一部分を必要なだけ正確に除去できる特性があることから、熱に弱いとされる角膜の手術にも適しており、レーシックなどの視力矯正手術に用いられるようになりました。1995 年に、アメリカのFDA(米国食品医薬品局)によって視力回復手術への使用が認可され、日本でも2000 年に厚生労働省から認可されたことで、レーシック手術の普及が急激に加速しました。最近では、レーザーの発射技術が向上するとともに、手術中の目の動きを立体的に察知してレーザーを照射できるアイトラッキングシステムが開発されるなど、手術の安全性と効率性を重視したエキシマレーザーが登場しています。日本でエキシマレーザーが認可されたのが2000 年になりますので、当時から20 年以上が経過しています。当然、20 年の間でエキシマレーザーも進化していますが、現在も当時のレーザーが稼働しています。この20 年余りで、レーザーの性能も飛躍的に進化していますので、ご自身の手術で使用されるレーザーについても確認しておくことが必要です。メーカによってブランド化されたレーザーもありますが、実際は大昔に発売されたレーザーだったなんてこともあるかもしれません。

エキシマレーザー
8 次元アマリス1500RS
(シュウィンド社:ドイツ)

レーシック手術の流れ

レーシック手術は、フェムトセカンドレーザーでフラップを作成し、そのフラップをめくってエキシマレーザーを照射することで視力を回復する手術になります。麻酔は、点眼麻酔になりますので注射による麻酔は必要ありません。手術時間も、両眼で約10 分程度と短く、手術の準備時間のほうが長いかもしれません。

【手術前の適応検査について】

手術を受けるには、詳しい目の検査を受ける必要がありますが、中には手術が適さないと診断されるケースもあります。レーシックも目の手術になりますので、検査は2 ~ 3 時間程かけて徹底的に目の状態を調べます。目の検査だけなのに、こんなに検査項目があるのかと驚く人もいるかもしれませんが、逆にここまで詳しい目の検査を受ける機会はそうそうないと思いますので、いい機会だと思って検査を受けてみましょう。この検査結果をもとに手術の適応が診断されますので、解らないことがあれば診察の時に担当の先生に質問してみてください。ここで、いい加減な答えしか返ってこないのであれば、そのクリニックでは手術を見送ることが賢明です。

【手術について】

レーシック手術は、2 つのレーザーを使用します。手術時間も短く、手術が終わった直後から視力の回復を実感される人もいます。多くの方は、翌朝起きた時に「世界が変わった」と実感されるようですが、いずれにしても即効性のある手術であると言えます。手術を受けた人の感想で「もっと早く手術を受けておけばよかった」という意見が多く見られますが、何十年も目が悪い状態で生活してきた人にとっては、信じられない効果なのかもしれません。以下は基本的なレーシック手術の流れになります。

レーシック手術の流れ

①点眼麻酔
局所麻酔を点眼します。
注射ではありませんので、痛くはありません。
(少ししみる感じがすることがあります)
②フラップ作成
フェムトセカンドレーザーでフラップを作成します。レーザー照射前に器具を装着しますので、少し押される感じがあります。
③屈折矯正
フラップを開いてエキシマレーザーを照射します。この工程で近視や乱視を矯正します。
④手術終了
目をきれいに洗い流して、フラップを戻します。
これで手術は終了です。手術終了後は、15 分程度安静にして、最後に診察を行いますが、時に問題がなければ帰宅となります。

レーシック手術の相場

レーシック手術には健康保険が適用されない自費診療となるため、費用は自己負担となります。自費診療は、医療機関が価格を自由に設定できるので、施設によって費用が異なります。また、手術で使用するレーザー機器も、クリニックによって様々なので、これが価格に反映されていることもあるようです。古くに発売されたレーザーと新しいレーザーでは性能に違いがありますので、誰もが新しいレーザーで手術を受けたいと思うのは当然なことですが、20 年以上も前に発売されたレーザーも普通に稼働していますので、「安かろう悪かろう」には注意しなければなりません。また、価格を安く見せるために古いレーザーのプランを格安に設定して、いざ来院すると高いプランが次々と出てくるなんてことも・・・。患者にとっては予算も検討材料の一つなので、これでは安心できません。レーシック手術の相場は、30 万円~ 50 万円前後が一般的です。中には、両眼7.5 万円という一桁台の価格や、100 万円を超す価格もあるようですが、これには素人でも手は出さないと思います。