視力回復手術を受ける時に注意したいこと

さて、視力回復手術を受けようと考えた時、レーシックと ICL のどっちを受けた方がいいのか迷ってしまう人もいると思います。大切な目の手術だからこそ、芸能人が受けているからと何となく流行に合わせてしまうことがないように、どちらの情報もしっかり入手して、自分の目の状態に合った手術を選択してください。

注意したい情報

手術を検討する上で注意したい情報①

眼内レンズを使用した手術には白内障手術がありますが、もともと白内障手術を行っているクリニックに中に、ICL を新たに導入している施設がちらほらと出てきているようです。こういった新規参入のクリニックの中には、白内障手術を行ってきた経験があるから、同じ眼内レンズ手術であるICL にも問題なく対応できるという情報発信がなされています。こういった情報は、ICL を新規導入したクリニックに多く見受けられる情報になりますが、この情報には注意する必要があります。白内障手術は、濁った水晶体を取り除いてから眼内レンズを挿入しますが、ICL は水晶体を残したまま眼内レンズを挿入します。この違いは非常に大きい違いであり、同じ眼内手術という安易な発想は患者に安心ではなく、誤解を与える原因になりかねません。ICL は、水晶体が残っているので、その人が持っている自然な調節力が生きていることになります。当然、調節力を考慮して手術を行う必要がありますし、手術の方法は似ていてもレンズを挿入する位置が違います。また、手術方法だけではなく、レンズの度数計算も調節力を考慮する必要があります。同じ眼内手術だから安心という図式にはなりませんので、こういった安易な情報には注意してください。

手術を検討する上で注意したい情報②

レーシックや ICL は、視力回復手術の代表的な選択肢として知られています。最近では、芸能人が ICL を受けたことを SNS で公表したことで、ICLへの注目度が上昇しているようですが、人気だけで大切な目の手術を決めてしまうことは危険ですので、自分の目に合った手術方法を選択してください。また、レーシックのようにレーザー機器を導入する必要がないため、新たに ICL を導入するクリニックが少しずつ増えてきているようですが、こういったクリニックは自分たちが行っていないレーシックを批判するような情報を発信しがちです。執刀したこともない手術を評価することはできませんので、経験の少ない医師の一方的な意見に過ぎません。八百屋が肉について批評しているようなものです。逆に、視力回復手術を検討する患者にとっては、そのクリニックでは 1 つしか選択肢がないということになりますので、どんな目の人でも ICL しか勧められません。自分の目の手術を任せるのであれば、どちらの手術も経験している医師に相談することが安心につながると思いますので、偏った情報には注意してください。

手術を受ける執刀医ついて

レーシックや ICL のような屈折矯正手術は、眼科専門医が担当するべき手術になります。これは、日本眼科学会からも提言されていますので、まずは眼科専門医であることは最低条件になると思います。中には、非専門医が手術を行っているクリニックもあるようですし、院長が専門医を持っていないクリニックも存在しているようです。手術前の適応診断も手術を成功させる上で重要な要素になりますので、診断から手術までは眼科専門医が担当してくれるクリニックを選びましょう。また、レーシックや ICL は屈折矯正の分野になりますので、屈折矯正を専門としている眼科専門医であれば言うことなしですね。ただ、日本には屈折矯正の専門医が少ないそうなので、安心して手術を受けたい人は、頑張って探してみる価値はあると思います。もう一つ付け加えるとすれば、レーシックにも ICL にも精通している眼科専門医が望ましいと言うことです。どちらにも対応できる医師であれば、患者の目の状態に適した手術を提案してくれるはずです。どんなにインターネットで情報を調べても、患者は素人の域は脱せません。
複数の選択肢から、自分に合った視力回復手術を提案していただける先生に出会うことが、かなり重要なポイントになると思います。

<執刀医を探す時の着目点>

  • 眼科専門医であることは最低条件だと思います。
  • 屈折矯正を専門としている眼科専門医であれば理想的です。
  • レーシックにも ICL にも精通していること。
  • どちらの手術にも豊富な執刀経験と実績があること。
  • レーシックと ICL の指導医ライセンスを持っている。
  • 日々の研究を積み重ねて世界規模の眼科学会で活躍している医師。

手術を受けるクリニック選びについて

軽度から中等度の近視であればレーシックでも十分に視力を改善できますが、高度近視の場合は ICL のほうが適しています。手術の適応については、角膜の厚さや、目の中のスペース、近視や乱視の強さなど様々な検査データをもとに判断されます。例えば、角膜の厚さは充分でも、近視や乱視が強いと角膜を削る量が多くなりますので、ICL のほうが適している場合もあります。逆に、角膜を削る量が少ない場合は、レーシックで対応することも可能です。ICL は、角膜を削らないことで質の高い見え方を手に入れられることが特徴ですが、最新のレーザーを使用すればレーシックでもICL と同等の質の高い見え方を得ることも可能です。また、レーシックは角膜表面だけの手術で済んでしまいますので、眼内手術に比べて感染症のリスクを軽減することができます。費用の面を比較しても、ICL よりもレーシックのほうが予算を抑えることもできます。視力回復手術を検討する上で、予算も重要な検討材料になりますので、最終的には自分に合った手術を選択する必要があります。レーシックと ICL のどちらかにしか対応していないクリニックでは、選択肢が限られてしまいますので、視力回復手術を検討する時にはレーシックと ICL の両方に対応できる施設を選ぶことがより良い選択ができる条件になります。また、両方に対応していれば、それぞれのメリットとデメリットを熟知していますので、クリニックの設備上の都合で偏った診断になることは少ないと思います。

<クリニック選びのポイント>

  • レーシックとICL のどちらにも対応している。
  • 保険診療も行っているクリニックはトラブルに強い。
  • 混雑しているクリニックは人気の証である。
  • 眼科専門医が在籍しているクリニック。
  • 非専門医が診察や手術に携わらないクリニック。
  • 屈折矯正の専門医が在籍するクリニック。
  • ホームページをみれば、ある程度の予算を検討できるクリニック。
  • 検査項目が多く、手術前の検査に時間をかけるクリニック。
  • 国家資格である視能訓練士が検査を担当してくれるクリニック。
  • 長期の保障期間や永久保証を売りにしているクリニックは NG
  • 受診してから高額なプランを紹介してくるクリニックは NG
  • 保障期間によって価格を変えているクリニックは NG