近眼・老眼・白内障
治療比較サイト

レーザー白内障手術について

レーザー白内障手術は、コンピューターに制御されたレーザーで行う白内障手術になります。具体的には、前嚢切開という手術工程と水晶体分割という手術工程をレーザーが自動的に行ってくれます。この前嚢切開と水晶体分割の工程は、白内障手術の中で特に合併症が起こりやすい工程になりますので、繊細な技術が求められる手術工程になります。レーザーによる手術では、目の中での作業を開始する前に、前嚢切開と水晶体分割をレーザーで済ませてしまうため、安全性の面でもメリットがあります。

【前嚢切開について】

水晶体は、水晶体嚢という薄い膜に包まれていますが、濁った水晶体を取り除く時に水晶体嚢の前側を丸くくり抜きます。この工程を前嚢切開と言いますが、ちょっとした力加減で水晶体嚢が破けてしまうこともあるため、合併症が起こりやすい工程でもあります。前嚢切開で作った穴は、濁った水晶体を取り出すための窓口になりますが、残った水晶体嚢の中にレンズを挿入しますので、最終的にはレンズを通して物を見る窓口になります。
この窓が歪んでいれば、レンズの収まりも悪くなってしまうため、見え方の質が低下する原因になってしまいます。レーザー白内障手術では、前嚢切開を真円にくり抜くことができますので、レンズの収まりもよく、良好な見え方が期待できるという訳です。

【水晶体分割について】

水晶体分割の工程は、まず濁った水晶体を4 つ～ 6 つに大まかに分割してから超音波で細かく砕きながら吸引していきます。この工程は、水晶体嚢が破れてしまう破嚢という合併症が起こりやすい工程になりますが、レーザーによる手術では事前にレーザーで水晶体を分割してしまうので、目の中での分割作業が必要ありません。また、手作業によるマニュアル手術よりも細かく分割できますので、目の中で超音波を使用する時間も短縮することができます。目の中での作業が少なくなることと、超音波の使用時間が短くなることは、手術中の合併症予防と患者の負担軽減に役立ちますので、レーザー白内障手術は安全性の面でもメリットがあります。

手術ガイダンスシステムについて

レーザー白内障手術の正確性と安全性については知っていただけたと思いますが、レーザー白内障手術には欠かせないのが「手術ガイダンスシステム」になります。手術ガイダンスシステムは、手術前の検査の段階で患者個々の目の特徴を認識して、その人に合った手術のイメージ作成、手術プランの構築、手術中のガイドという3 つの役割を果たします。手術ガイダンスシステムにもいくつかの種類がありますが、日本国内で多く使用されている「VERION」というガイダンスシステムを例に紹介します。

【その人に合った手術をイメージ】

VERION は、様々なデータを測定すると同時に高解像度のデジタル画像を約1000 枚も撮影することができます。これによって、その人が持つ目の特徴を認識して、その人に合った手術イメージを作成します。また、患者の目を正確に認識することによって、手術中の眼の動きを追いかけて正確な手術が行えるようにガイドします。

【その人に合った手術プランを構築】

測定したデータをもとに、レンズの度数や乱視軸、切開位置、手術後の残存乱視の是正、乱視用レンズの円柱度数決定など、その人に合った理想的な手術プランを構築します。人によって目の特徴には必ず違いがありますので、その人に合った手術プランに違いがあって当然です。VERION は、私たちにオーダーメードの白内障手術を提供してくれるために重要な役割を果たしてくれます。

【プラン通りの手術へとガイド】

VERION によって、その人に合った手術プランを構築しても、それを正確に遂行できなければ意味がありません。VERION が持つガイド機能は、構築されたプラン通りの手術を正確に遂行するために、乱視軸や前嚢切開の位置などを顕微鏡下とモニターに表示することができます。その人に合った手術プランを手術中に執刀医が確認しながら手術を行うことができますので、正確な手術へと導くガイドの役割を担ってくれます。

手術中の目に構築された手術プランがデジタル表示されます

レーザー白内障手術の相場

レーザー白内障手術の費用は自費診療となりますので、レーザーの種類やクリニックによって違ってきます。また、多焦点眼内レンズの種類が少ないクリニックが多いため、レーザー手術の費用を含んだ価格表示にしているところも多く見受けられるため、レーザー手術のみの相場が解りにくくなっていますが、片眼20 万円～ 40 万円が一般的な相場となっています。 両眼になると、クリニックによって40 万円もの差がありますので、狙い目としては片眼20 万円前後のクリニックがお薦めです。